今回は、三井物産・イデラパートナーズ株式会社 代表取締役社長 菅沼 通夫氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。

略歴:菅沼 通夫(すがぬま みちお)氏
1989年4月日本長期信用銀行(現SBI新生銀行)に入社し、企業向けファイナンスや不動産ファイナンス業務に従事。2006年11月、三井物産に転じて私募の不動産運用会社の立ち上げ、当該運用会社に転じて私募ファンドの組成・運用に従事。2016年9月より三井物産・イデラパートナーズ株式会社の代表取締役社長CEO(現任)及び投資法人みらいの執行役員(現任)
2016年9月より三井物産・イデラパートナーズ株式会社の代表取締役社長CEO及び投資法人みらい(みらい)の執行役員を担っています。キャリアの最初は国内の金融機関で、企業向けファイナンスや不動産ファンド向けファイナンス等に従事、その後、三井物産に転じて、私募の不動産運用会社の立ち上げに関わるとともに当該運用会社に転じて私募ファンドの組成・運用に従事する等、20年以上に亘って不動産ファイナンス及び投資運用に関する業務に携わってきました。
2025年の東証REIT指数は前年比+21.8%と大きく上昇し、4年ぶりにプラスとなりました。
通年での動きを細かくご説明しますと、2025年初にかけてREITの主たる投資家であるJ-REIT投信からの資金流出を背景に市場が大きく売り込まれ、東証REIT指数は1,652.94pt、平均NAV倍率も0.80倍程度まで低下しました。しかし、こうした水準は明らかに割安感が強く、その後J-REIT投信からの資金流出が一巡したこともあり需給面でも改善の兆しが見られました。加えて、複数のアクティビストファンドによる買収提案や資本政策への関与が表面化したことが、自己投資口取得の活発化や水準感見直しへの契機になったと認識しています。
ファンダメンタルズ面でも追い風がありました。オフィスセクターでは、空室率の改善とともに賃料上昇が顕在化し、市況回復がより鮮明になりました。ホテルセクターにおいては、2025年11月以降の日中関係の緊張感の高まりを背景に訪日中国人客の減少が見られたものの、2025年12月の訪日外客数全体では前年比+3.4%と引き続き増加しており、年間訪日客数は4,200万人を突破して過去最高を記録するなど、インバウンド需要の強さを再確認することとなりました。また、商業施設については、大都市圏プライムエリアの空室率は極めて低い水準で推移し、小売りセクター全体の2025年の年間売上高は前年比プラスで推移する等、各セクターともに好調なファンダメンタルズが確認できています。
また、2025年末時点のJ-REIT市場全体の資産構成比は、オフィス36.7%、商業施設14.5%、ホテル10.5%と、これら3セクターが全体の61.7%を占めており、現在の市場動向の恩恵を受けやすいポートフォリオ構成であったことも評価改善につながったものと考えています。
こうした状況を背景に、2025年8月には4年ぶりとなる新規上場銘柄が登場し、複数銘柄による公募増資再開が見られるなど、REIT市場において再び成長資金を確保できる環境が整いつつあります。
今後の焦点としては日銀の金融政策動向に注目しています。継続的な利上げによるREIT側の資金調達コストの上昇、インフレに伴う運営費用の増加といった逆風に対して、オフィスの賃料改定、ホテルの変動賃料の伸長、運営効率化による費用削減などを通じた内部成長が上回ることが重要になります。その上で、分配金向上に寄与する継続的な外部成長が投資口価格の安定的な推移を支援すると見ています。
オフィスの賃貸市場は、各種リサーチデータが示すとおり極めて好調と認識しています。都心部における高い需要が周辺部にも波及しており、みらいが複数物件を運用する東京湾岸エリアにおいても空室消化が進んでいます。拠点集約による拡張、人材確保を目的とした立地改善、あるいは賃料削減を求めての移転など理由は様々ですが、コロナ禍後に出社率が徐々に回復を見せる中、より質の高いオフィスを求める動きが活発化しています。一方で、東京都心部を中心に現時点でまとまった面積の空室が限られているうえ、建築費高騰や深刻な人手不足を背景に開発計画の見直しや着工延期も見られるなど、供給面の制約が強まっています。このため、今後もオフィス床に対する需給の逼迫は継続し、新規募集賃料のさらなる高額化が見込まれるため、テナント企業においては、早期にオフィス床を確保したいという心理も働いているものと思います。
斯様なマーケット環境を踏まえ、みらいでは、更新期を迎えたテナントの皆様に対して市場賃料の上昇や管理コストの増加といった環境変化をご説明したうえで、賃料の増額をお願いしており、多くのテナント様からご了承をいただいています。こうした動きは地方圏においても同様であり、マーケット賃料を下回る水準でご契約いただいているテナント様には賃料増額に応じていただいています。足元の需給環境やインフレ動向を踏まえると、この状況は当面の間継続するものとみています。

| 1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
|---|---|---|
| 2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
| 3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
| 4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
| 5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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