10月30日~31日のニュース概観
(写真/iStock)
10月30日から31日にかけての市場の動きだが、30日には9月鉱工業生産指数、31日には中国製造業PMIの発表があり、それぞれ弱めの数字になった。
しかし株式市場はソニーやホンダのように大型株で好決算が続いたこと、そして為替の円安傾向に支えられて大きなリバウンドを見せた。
対してこれまで株式とは対照的に安定的な値動きを続けてきたJ-REIT市場は、株式市場の急反発にも目立った反応を見せず、やはり上下に小幅に動くにとどまった。
今後の相場展開だが、少なくともJ-REIT市場にとっては、31日の日銀政策会合結果発表で大規模緩和の維持、つまりは低金利環境の維持が改めて確認されたことは追い風であろう。
10月31日、電力大手の一角、九州電力株式会社(以下、九電)がグループの不動産事業強化を推進すると発表した。
九電傘下の不動産事業子会社には、住宅事業を担当する九電不動産株式会社、オフィス事業を担当する株式会社電気ビル、ビルメンテナンス事業を担当する九州メンテナンス株式会社の3社が存在するが、今後、九電が音頭を取る形で子会社3社の協力を深化させていくという。
また、子会社への働きかけの他に、他社との業務提携等を通じて商業施設やホテル開発といった新規領域への進出、九州エリア外案件への参画も進めていく方針も示された。
この九電の発表を受けて注目したい点は次の2点である。
まず1つ目は、九電の2018年3月決算の数字を確認すると不動産事業を含む「その他の事業」が営業利益に占める割合は4.5%程度に過ぎないが、この数字が今後のテコ入れでどこまで育ってくるかという点。
続く2つ目は、今後九電が傘下不動産子会社の統合や不動産業他社との業務・資本提携に乗り出してくるか否かという点である。
同じ公共インフラを担う企業としては鉄道各社が既に収益・利益の大きな部分を不動産業で稼ぎ出すようになっているが、今回の九電をはじめとした電力各社もそれと同じ状態となってくるのか興味深い。
なお九電は福岡リート投資法人のスポンサーに名を連ねているが、31日から翌営業日にかけての同投資法人の値動きを見ると、今回の九電の発表は目立った影響を与えていないようである。
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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