2018年10月22日

NTT、完全子会社化に向けてNTT都市開発へのTOBを開始

10月15日週のニュース概観

(写真/iStock)

概況

10月15日、日本電信電話株式会社がエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社(以下、NTT、NTT都市開発)に対して完全子会社化を目的としたTOB(株式公開買付)を16日から開始すると発表した。
これまでNTTはNTT都市開発を連結子会社という立ち位置(当該発表時点で株式67.3%を保有)に置いていたが、今後、高度な情報技術を適用したスマートシティの開発・運営、そしてグループのコネクションを生かした外部企業や自治体との不動産取得・開発に係る協力を推進する上でNTT都市開発の完全子会社化が望ましいと判断してTOBの実施を決断したという。
NTT都市開発はオフィスと住居を投資対象とするプレミア投資法人のスポンサーを務めているが、同投資法人の投資口の値動きを見ると、15日終値から1.5%ほど高い水準で推移している。今回発表されたTOBが成立すれば、より高機能な物件がパイプラインに加わってくることも期待できるためか、概ねJ-REIT投資家の反応は当該TOBに対して好意的と言えそうだ。

10月16日、各種油圧システム製品大手のKYB株式会社(以下、KYB)が子会社製造・販売の免震・制振用オイルダンバーで性能検査データの改竄と所定の性能評価基準に満たない不適合品の出荷があったことを明らかにした。
主に自動車や航空機、船舶等の部品メーカーとして有名なKYBだが、今回不祥事が発覚した製品は不動産で使用されるものということもあり、各J-REITでも保有物件に当該不適合品が使用されていないかの確認に追われることになった。
15日週内に当該問題についてのリリースを出したJ-REITは以下の通り(並びは開示順、またカッコ内は確認の結果)。
 ・平和不動産リート投資法人(不適合製品を使用した物件はなし)
 ・大和証券オフィス投資法人(同上)
 ・日本ヘルスケア投資法人(同上)
 ・日本賃貸住宅投資法人(同上)
 ・ジャパンエクセレント投資法人(同上)
 ・野村不動産マスターファンド投資法人(同上)
 ・産業ファンド投資法人(同上)
 ・ヒューリックリート投資法人(1物件で不適合の可能性のある製品を使用)

今回の不祥事で該当の可能性が出てきたヒューリックリート投資法人だが、不適合が確定した場合でもKYBによって適合品へと交換してもらえることから、業績への影響はないと判断している。市場も週明けの投資口値動きを見る限りでは特段材料視していないようだ。

物件動向

10月15日週の物件動向だが、特に目立つものはなかった。

決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 野村不動産マスター +0.70%
2 星野リゾート +0.70%
3 ザイマックス +0.63%
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