2017年03月13日

東急不動産、機構改革で住宅系REIT向け不動産取得業務を首都圏住宅事業本部傘下部署に移管

3月6日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

3月8日、東急不動産株式会社(以下、東急不動産)が4月1日付の機構改革及び人事異動を決定したと発表した。その中にREITに関するものが一点あり、今まで投資企画部が担っていた住宅系ファンド・REIT向け不動産取得業務を首都圏住宅事業本部が所管する住宅ソリューション部に移管するという。
現時点で東急不動産がスポンサーとなっているJ-REITには、都市型商業施設や東京オフィスを投資対象とする総合型のアクティビア・プロパティーズ投資法人と住居特化型のコンフォリア・レジデンシャル投資法人がある。そのうち、今回の機構改革で影響を受けると見られる後者のポートフォリオは、2017年2月2日現在で東京圏が約93%、その他中核都市が約7%という比率(いずれも金額ベース)。
東急不動産には首都圏住宅事業本部と並んで関西住宅事業本部があるが、住宅系ファンド・REIT向け不動産取得業務が前者所管の部署に移管されるということは、コンフォリア・レジデンシャル投資法人の東京圏集中方針がより強化される(その分、他地域物件の取得の可能性は低まる)ことを意味しよう。

3月9日、スターアジアグループとGSAが日本における次世代型学生専用レジデンスの展開に向けて業務提携すると発表した。
スターアジアグループは、日本の不動産関連資産を主な投資対象とする独立系投資運用グループで、総合型J-REITスターアジア不動産投資法人のスポンサーでもある。一方のGSAは、欧州や中東、アジア太平洋地域の8ヶ国44都市で学生専用レジデンスに特化した不動産開発、投資、その他各種サービス提供を展開している。
GSAは既に日本での事業展開第1弾として東京都文京区白山4丁目の朝鮮出版会館跡地約1,150㎡を取得して学生専用レジデンスの開発計画を進めているが(当該敷地は当初朝鮮総連が保有していたが、その後幾つかの不動産会社による購入を経て最終的にGSAが取得)、今回の業務提携によりスターアジアグループが開発資金の調達等について支援を提供していくという。
今後、両社共同での学生専用レジデンス開発推進がスターアジア不動産投資法人のパイプライン強化に繋がってくるか注目される。

物件動向

3月6日週の物件動向だが、主なものとして以下の2件の発表があった。

a.東京都渋谷区:「原宿駅前プロジェクト」
3月6日、NTT都市開発株式会社(以下、NTT都市開発)が原宿駅前を舞台とした再開発計画「原宿駅前プロジェクト」に着手したと発表した。
当該計画は、竹下通りと表参道に挟まれたJR原宿駅前の敷地約5,000㎡に、地下3階地上10階、延床面積約26,800㎡のビルを建設し、店舗やオフィス、住居からなる複合施設として活用するというもの。2017年秋に着工して2020年春に竣工を迎える予定。
原宿駅近辺でNTT都市開発が開発・運営を担う物件としては、商業施設「原宿クエスト」(1988年開業)に続き2例目となる。
b.千葉県千葉市:「ベイフロント蘇我(仮称)」計画
3月6日、一般に鉄鋼大手として知られるJFEスチール株式会社(以下、JFEスチール)が、千葉市中央区の再開発地区「ハーバーシティ蘇我」に保有する敷地に大型商業施設「ベイフロント蘇我(仮称)」を誘致すると発表した。
発表によると、JFEスチールは株式会社新昭和(以下、新昭和)と事業用定期借地権設定契約を締結し、敷地の賃借人となった新昭和が6棟のテナントビルを建設して複合商標施設「ベイフロント蘇我(仮称)」として運営するという。
当該商業施設の規模だが、敷地部分の面積は合計すると約21,000㎡、延床面積は約7,100㎡、駐車台数310台の平面駐車場を有するものとなる。建設は3月中旬から始まり、10月上旬に開業を迎える予定。テナントとしては既にユニクロや鳥貴族、100円ショップのSeria等が確定しており、JFEスチールは周辺の既存商業施設との相乗効果で年間250万人の来場者が見込めるとしている。
なお事業用定期借地権だが、存続期間が借地借家法で10年以上50年未満と定められており、契約期間満了の場合、原則として賃借人は建物を取り壊して土地を賃貸人に返還しなければならない。
決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 野村不動産マスター +0.70%
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3 ザイマックス +0.63%
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