今回は、平和不動産アセットマネジメント株式会社 市川 隆也氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
大規模オフィスの賃料・空室率改善にはピークアウト感が出てきていますが、それに対して大規模オフィスに遅行して動く傾向のある中小型オフィスビルの賃料・空室率の改善は今まさに本格的な局面を迎えているという印象です。東京23区内の中小型オフィスビルは高いテナントニーズがある一方で供給も少ないことから需給が逼迫している状態で、賃料水準は上昇する傾向にあります。
また人手不足の中で優秀な人材を確保するために、オフィスの立地や環境の快適性、アメニティの充実を求める声が、大型テナントに限らず中小型オフィスビルに入居するテナントの間でも強まっているのも注目すべき動きです。
本投資法人のオフィスビルの運用状況を見ますと、好調な賃貸マーケットの環境の下、中小型オフィスビルの市況は好調を維持しています。足元の第32期(2017年11月期)も堅調であり平均稼働率は99.55%と、第31期の記録を再度更新すると見ています。 本投資法人でもマーケット賃料と乖離のあるテナントさんに対して賃料の増額改定をお願いしています。テナントさんの方も、新聞等で賃料が上昇していることをご存知で、ほとんどのテナントさんに応じて頂いている状況です。この状況は今しばらく続くと考えています。
本投資法人が運用対象とするレジデンスを見ますと、3年半前に賃料が底打ちをし、そこから一貫して微増となっています。稼働率も5年ほど前から継続して95%以上を維持するという好調な状態が続いています。
この背景には、高品質かつ好立地のレジデンスの供給が限定的な一方で需要が根強いことがあると見ています。本投資法人をはじめ、J-REITが保有するレジデンスは、立地、品質、耐震性等が良く、運営管理もしっかりしていています。また、反社等入居者チェックも厳格なことから、仲介業者さんや社宅需要のある法人から安心だという評価が定着したと考えています。
個人的には、現在までに東京オリンピックを目指して景気が急加速している、熱を帯びているという印象もないものですから、逆に言うと、東京オリンピックが終わっても大きな反動というのは出ないのではないかと考えています。あまりオリンピックという言葉に踊らされず、インバウンド拡大に向けた施策、海外からの企業・人材誘致に向けた取組み、インフラ整備等を着実に進めていくことが重要だと思います。
2020年以降について見ると、東京23区において、既に多くのオフィスビルの開発計画が発表されています。特に2022年から2024年の3年間については、現時点で合計411万㎡の大量供給が見込まれています。オリンピック後も多くの再開発が計画されていることを考慮すると、不動産関係者の間では一般的な見方と異なり、「東京オリンピックを通じて交通・通信インフラ整備が整い、さらに東京の知名度が高まることで、観光需要に加え新たなビジネス需要が生まれる可能性が高い」という認識があるのではないでしょうか。そのため、「オリンピック後におけるオフィスビルの供給は、潜在的なビジネス需要の受け皿になり、その需要が新たなビジネス需要を生む」、という効果も考えられますし、期待したいと思います。
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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