2016年04月11日

REIT市場の活況続く

4月4日週のニュース概観

概況

4月4日、東証が現物市場とデリバティブ市場の売買状況を発表した。それによると、まずREIT現物市場では2015年度売買代金が市場開設以来の最高額となる約10.5兆円を記録した。2016年3月の売買金額も1.27兆円と史上最高額を記録した先月に次ぐ数字を叩き出し、REIT市場の活況ぶりが改めて鮮明となった。 次にREIT先物市場では、2015年度売買代金が約3.5兆円、2016年3月売買金額が約919億円と年度、月次ともに市場開設以来の最高額を記録した(下図参照)。REIT現物の売買活発化に伴って、ヘッジや投機を目的とした資金が先物市場にも流れ込んでいることが窺える。

※グラフは以下の資料に基づきJapan REIT(株)が作成。
・株式会社東京証券取引所:統計情報(先物・オプション関連)/取引高報告
・株式会社東京証券取引所:2015年度及び2016年3月の売買状況について
・一般社団法人不動産証券化協会:ARES J-REIT Databook

4月7日には国土交通省より「第8回地価に関する有識者会合」(会合自体は2016年3月28日実施)の議事要旨が公表された。 当該議事要旨では、マンション、リゾート地の地価動向について需要の集まる地域とそうでない地域との間で二極化傾向が目立っているという声、また、オフィスが空室率低下傾向が続きながらも賃料の伸びは鈍いままという指摘が注目される。 その他の内容としては、中古住宅流通活発化に向けて売り手の瑕疵担保責任軽減を求める声や、欧米に比して低い水準にある日本の人件費とサービス価格がインバウンド流入で上昇に転じるか注目すべきという意見もあった。

物件動向

4月4日週は以下の2件の物件開発動向が報じられた。

a.埼玉県所沢市:「西武線所沢駅東口駅ビル建設」計画
西武鉄道が中心となって進めている駅ビル開発計画だが、4月4日に施行業者が西武建設・前田建設のJV(ジョイント・ベンチャー)に決定したことが報じられた。今後、2020年6月の完成を目指して8月には建設工事が開始される予定である。
当該ビルの規模は地下2階地上5階建ての延床面積約6.6万㎡というもので、完成後は主に商業施設としての利用が想定されている。
b.神奈川県川崎市 :「CREVIA WILL 武蔵小杉」計画
4月6日に伊藤忠都市開発(アドバンス・レジデンス投資法人のスポンサーでもある)が、川崎市中原区に地上7階建て、総戸数390戸の学生寮を開発すると発表した。2017年2月の竣工と翌月からの入居開始を予定している。
近年は少子化に伴って学生数も減少傾向にあるが、伊藤忠都市開発は、地方から都市部へ流入する学生、外国人留学生を対象とすることで安定的な需要を獲得できるとしている。
決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 野村不動産マスター +0.70%
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