2月15日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
2月15日週はREITに関して新しい動きが目立った一週間であった。まず2月15日にイオンリート投資法人が物流施設「ダイエー川崎プロセスセンター」の取得完了を開示した。取得先は 東京センチュリーリース株式会社で取得額は142.8億円。
イオンリート投資法人は2013年11月に商業施設特化型として上場したが、更なる収益機会の拡大を狙い、2015年12月1日にイオングローバルSCMとの間で物流施設に係るパイプラインサポート契約、マネジメント契約を締結して物流施設にも投資する姿勢を見せていた。その後、2016年1月に当該物流施設を含む5棟(残りは商業施設4棟)の取得を決定し、無事2月15日に「ダイエー川崎プロセスセンター」取得日を迎えたわけである。この先、同投資法人のポートフォリオに占める物流施設の割合がどこまで拡大するか興味深い。
16日には産業ファンド投資法人が信託受益権取引による「IIF 掛川マニュファクチュアリングセンター(底地)」取得を決定した。この底地の上には、業務用洗剤の製造・販売を行う シーバイエス株式会社唯一の製造拠点(年間製造能力は約3.9万トン)が鎮座している。
今回の決定で注目されるのは、当該取得案件がJ-REITとしては初の工場案件の取得という点である。今まで「工場・研究開発施設等」としてJ-REITが物件を取得することはあったが、その対象は全て研究開発施設であった。今回の産業ファンド投資法人の決定は、そこに風穴を開け、J-REIT保有資産の多様性を高めていくものとして評価できるだろう。
また同じ16日、大和ハウス工業株式会社(大和ハウスリート投資法人等のスポンサー)が韓国REITのK-top自己管理不動産投資会社(以下、K-top)との業務・資本提携を発表した。手始めとして大和ハウス工業はK-topの株式9%(日本円にして3.3億円相当)を第三者割当によって取得する。具体的な事業協力は両社の今後の協議に依るが、現時点では韓国での賃貸借住宅開発やビジネスホテル開発が案として挙がっている。
17日は物流施設特化型REITラサールロジポート投資法人の上場日だったが、同日、三井不動産株式会社が新規REITの今夏上場に向けた東証への申請を2月内に行う予定と報じられた。当該新規REITのタイプは奇しくもラサールロジポート投資法人と同じ物流施設特化型である。ただし当初運用規模は700億円程度とみられており、ラサールロジポート投資法人の1600億円程度に比べればやや小振りな印象といえよう。
2月15日週の物件動向だが、以下の3件を含めて5件の着工や開発用土地の取得が報じられた。内訳は物流施設4、ホテル1件であり、物流施設投資が依然活発な状態にあることを感じさせる。また、17日に国際的物流不動産大手GLPがカナダの大手退職年金基金CPPIBとの合弁で「GLPジャパン・デベロップメント・ベンチャーII」を発足させることを発表した。まずはGLP流山計画に投資を行っていくということだが、こうした大手年金基金のような長期志向、安定志向の資金の流入が今後も続くことを期待したい。
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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