2月8日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
2月8日週は物流不動産企業の動きが目立った1週間であった。 まず2月8日に国際的な物流不動産大手であるプロロジス(日本プロロジスリート投資法人のスポンサー企業)が、中国事業Prologis China Logistics Ventureへのエクイティコミットメント(一定期間内の出資限度額)を約8.82億ドル(1ドル=120円換算で1,058億円相当。また以下の換算レートも同様)に拡大したと発表した。拡大分の内訳は、提携先であるHIP China Logistics Investments Limitedが約7.5億ドル(900億円相当)、プロロジス自身が約1.32億ドル(158億円相当)である。同時にプロロジスは中国市場で6社と物流不動産計19.6万㎡の賃貸契約を締結したことも明らかにした。
現在の中国経済は、主役が今までの製造業、重工業から大都市住民の旺盛な消費を背景とした各種サービス業に交代しつつあり、とりわけネット通販市場とそれを支える先進的物流施設への需要が急速な拡大を続けている。今回発表されたプロロジスの動きは、こうした中国経済の主役交代の波に乗ろうとするものだと言えよう。
また同日、日本では珍しい物流不動産特化型の不動産会社である株式会社シーアールイー(以下、CRE)が、物流施設開発SPCに44.75億円の出資を行うと発表した。当該出資は物件開発用に設立した合同会社に対して匿名組合出資を行う、いわゆる「TK-GKスキーム」によるものである。出資割合はCREが100%。現時点での最新決算資料である「平成28年7月期第1四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)」によればCREの総資産額は約310億円、現金及び預金は約81億円なので、今回の出資額は総資産額比14%、現金及び預金比55%に相当する。
その他の動きとしては、10日に発表されたケネディクス(ケネディクス・オフィス投資法人等のスポンサー企業)の2015年12月期決算説明会資料で「インフラファンド」が「成長に向けた取り組み事例」の一つとして取り上げられたことが注目される。当該資料によれば、同社は200億円規模の再生エネルギー発電設備を対象としたファンドの組成を現在進めており、将来的には交通や通信、公共不動産といったその他インフラ・アセットについても投資機会の発掘、そしてファンド化を狙っていくという。
政府が税制改正や国交省での研究会設立等でインフラファンドへの支援、梃入れの姿勢を見せている中、ケネディクスがそれを追い風にできるか、ひいては東証の上場インフラファンド市場への銘柄上場に繋がってくるのか興味深いところである。
2月8日週の物件動向だが、開発に係るものは以下の2件があった。
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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