不動産証券化フォーラム
基調講演は国土交通省土地・建設産業局不動産市場整備課長の中田氏が「不動産証券化のさらなる進化と果たすべき役割」という題でお話をされました。
この基調講演で感じられたのは、ヘルスケア・病院リートにかける国土交通省の意気込みの強さです。そもそも基調講演は対象分野の全体的な状況の説明が求められるため、内容は総花的なものとなりがちです。まして今の日本の不動産には観光立国、地方創生、公的不動産活用、空き家問題、環境性能向上、スマートシティの実現、都市の国際競争、インフラ更新と重要性ではいずれも引けを取らないトピックが目白押しです。その中、講演で時間を割くのは勿論、用いたスライド資料全53枚の約2割をヘルスケアリート・病院リートに割いている所に国土交通省の強い期待感が窺える講演でした。
リレー講演の1回目は、「海外不動産投資の魅力と今後の見通し」という題で三井住友トラスト基礎研究所海外市場調査部の伊東部長が不動産をめぐるクロスボーダー投資の現状について説明されました。その要旨は以下の通りです。
リレー講演の2回目は、「J-REITにおけるインフラ・PRE投資の先行事例」という題で、三菱商事・ユービーエス・リアルティの辻社長が、同社が資産運用を担当している産業ファンドの取組を中心にお話をされました。
インフラ・PRE(公的不動産)投資市場全体について辻社長は、いまだ限定的な規模に留まっているとしつつも、それを変えていく力として以下の2点を指摘されました。
上記2点に背中を押される形で地方公共団体に不動産等資産を売却、証券化して資金調達することが普及し、ひいてはインフラ・PRE投資も拡大していくのではないかというのが辻社長の講演の結論でした。
リレー講演の最後は「拡大するヘルスケア市場と投資戦略」という題でジャパン・シニアリビング・パートナーズの藤村社長が飾りました。
藤村社長は、高齢化の進展が独居老人の増大、認知症を有する高齢者の増大をもたらし、個々の家庭で介護をカバーすることを一層困難にしていくという展望をまず示しました。その上で、高齢者が自立した状態から看取りまで一貫して対応可能な日本版CCRC(継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)がより必要性を増してくるであろうという見通しを示し、その設立・運営資金調達の手段としてのREITの意義やオペレーターとの連携の重要性を強く訴えられていました。
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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